シリーズ★和ハーブ協会上位資格者インタビュー★
今回のゲストは・・・
佐久間 朱妙さん《地域おこし協力隊(インタビュー時2025年2月末時点)/ 和ハーブインストラクター(2023年5月取得)・和ハーブフィールドマスター(2024年11月取得)・和ハーブフードディレクター(2025年4月取得)》

佐久間 朱妙さん
福島県田村市出身。東京での総合病院勤務、上海での駐在看護師をへて2018年から2020年まで和ハーブ協会事務局長として勤務し、在籍中に『和ハーブインストラクター』の資格を取得。
その後、ふるさとである福島県田村市にUターン、地域おこし協力隊に就任。地域おこし協力隊としての活動中の2023年に『和ハーブインストラクター養成講座』を再受講、2024年には『和ハーブフィールドマスター』、インタビュー後の2025年3月には『和ハーブフードディレクター』も取得されました。
協会スタッフとして尽力し、2021年Uターン後に改めて和ハーブを学びなおし、資格を再取得された佐久間さん。本インタビューでは、これまでの過程の中で培ってきた想いや経験、そして改めて今思う、「和ハーブ」の魅力についてたっぷりとお話しいただきました。
インタビュアー:野村すみれ(和ハーブ協会現事務局長)
――― (野村・以下省略)佐久間さんは2021年の夏まで和ハーブ協会の事務局長として勤務されていたので、この記事を読んでくださる方の中にはご存じの方もいらっしゃると思います。私も短い時間でしたが、佐久間さんに仕事における大切な姿勢を教えていただいて今があると思っています。今回は、佐久間さんの「和ハーブ」とのかかわりだけでなく、これまで様々な経験を通して感じてこられてきたことや今に至るまでの経験についてもおうかがいできたらなと思っていますので、よろしくお願いいたします。
(佐久間さん・以下省略)よろしくお願いします。
――― 改めてではありますが、和ハーブ協会に入社される前のプロフィールについてお聞かせください。
もともと、母が手作りが好きな人でお弁当や誕生日ケーキを手作りしてくれていました。おしいものに口が慣れていたというか、子どものころから食べることが好きで、健康的な食べ物や飲み物を口に入れることが大切だという感覚を当たり前に持ちながら育ったように思います。

福島県田村市にて(佐久間さん撮影)
その延長で、美容や健康に興味があり、大学卒業後は東京の総合病院で看護師として勤務していました。看護師としての勤務はやりがいはありましたが、患者さんと接していく中で「病気になる前にもっとできることがあるんじゃないか」という疑問がずっと心にありました。
そのころに古谷代表理事が長年取り組んでいる『日本ダイエット健康協会(*)』を知り、講座を受講していました。私は漢方茶なども好きだったので、古谷代表に当時から「“和ハーブ”やってみたら」とすすめられていましたが、そのころは正直ピンときていなかったです。
――― 古谷代表とはそのころからお知り合いだったのですね!
はい、私自身『日本ダイエット健康協会』の講座内容や理念にとても興味を持っていて、古谷代表とは先生と生徒、という関係でした。
古谷代表からの世の中についてもっと知ることが大切だというお話もあり、病院の中だけで勤務するよりも広い世界や価値観の中で視野を広げたいと思っていたころに、上海に駐在している企業の社員さんの健康管理の求人があったため、上海に飛びました。
上海では3年ほど勤務し、その間も『日本ダイエット健康協会』が開催している上位資格講座、『ダイエットインストラクター養成講座』受講にあわせて帰国していました。
上海での仕事や暮らしにも慣れ、さらにもっとステップアップしたいと考えていたころに、古谷代表との縁もあり、帰国して和ハーブ協会に入社させていただく流れとなりました。

――― そういう背景があったのですね。
在籍中に『和ハーブインストラクター』の資格も取得しました。だけど、私が入社してからほどなくしてコロナが流行り始めました。さらに、そのころから母がずっと体調を崩していたのですが、なかなか診断が出ずに病院を転々とする時期が続きました。
今は難病指定が出ていますが、当時は原因不明で一人で生活できないほど体調が悪くなっていく母のことがとても心配で、地元に帰ることを考えるようになったんです。
ちょうどそのタイミングで、地元、福島県田村市の地域おこし協力隊の募集があったため、2021年の夏から田村市の地域おこし協力隊として就任しました。あれからもうすぐ4年が経つと思うと本当に早く感じます。
――― 今振り返るとあっという間ですよね!地域おこし協力隊としてはどんな活動をされていたんでしょうか?
就任して2年間は主に、関東圏から田村市に移住希望の人に空き家を紹介するマッチングの担当者をしていました。3年目からは空き家だけでなく空き店舗を借りてチャレンジショップ『ふらっと』の運営、そこで開催するイベントの運営をしてきました。
――― チャレンジショップとはどのような場所なのでしょうか?
主に市内で出店を考えている人が一定期間マルシェを開いたり、ハンドメイドなどの商品販売するなど、「やってみたい」気持ちがある人が気軽にデビューできるように支援する場です。田村市在住の人だけでなく、隣の町からも来てくれたり、人と人を繋いだり経済効果を生み出す場でもあります。
自分が出展者さんにアドバイスするにあたり、自分自身でも出展の経験が必要だと思い、「和ハーブ」のショップを出展してきました。

和ハーブのショップ 素敵ですね!
――― 素敵な取り組みですね。ショップも優しい雰囲気が伝わります。佐久間さんはどんなサービスを提供されていたのでしょうか?
私がもともと勉強していたメンタルケア・メンタルヘルスと「和ハーブ」を組み合わせ、ブースに来てくれた方の体や心の様々なお悩みを聞いてその方の状態にあった和ハーブをチョイスしてその人だけのオリジナルブレンドをお渡ししていました。
若い人からお年寄りまで、いろんな世代の方が興味を持ってくださり、「よく眠れるようになった」などたくさんのリアルなご感想をいただきました。

訪れた方の相談に乗る佐久間さん
和ハーブ協会に社員として在籍していた頃も、和ハーブの大切さ、日本人にとって必要なものであるとは思っていましたが、地元の方からリアルな反応をいただいたことで、これ(和ハーブ)が大事なものであるという確信がより強くなっていきました。
そこからもう一度最新の知識を学びなおしたいという気持ちが強くなり、東京で『和ハーブインストラクター養成講座』を再受講することを決めました。
――― 3年ぶりに再受講された『和ハーブインストラクター養成講座』はいかがでしたか?
在籍中に学んだときは、自己研鑽のため、という気持ちが強かったですが、地元で「和ハーブ」を喜んでもらえる経験を積んでからの学びは、「自分のため」というより「人のため」という気持ちが強かったです。
この知識によって他人に貢献できる、という喜びが大きかったのですが、それは「和ハーブ」のスピリットそのものだとも思いました。
私たちの命を繋いできてくれた昔の日本人が、「家族の健康のため」「自分自身や大事な人のこの不調を治したい」といった思いが「和ハーブ」につながっているので、『和ハーブインストラクター養成講座』のカリキュラムのひとつである歴史や植物の活用法など、要であるスピリットに深く共感しました。

あしもとのたからもの・和ハーブ(佐久間さん撮影)
――― 佐久間さんは、『和ハーブインストラクター』を再受講された後、2024年春からは『和ハーブフィールドマスター養成講座』も受講されました。福島から毎月高速バスで学びに来てくださっていましたね。きっかけはなんだったのでしょうか?
一番のきっかけは、『和ハーブインストラクター養成講座』を再受講したときに、同期の人が自己紹介で「和ハーブは災害時に役立つと思い受講を決めた」と話していたことです。
私は母が難病を患っているため、災害時など薬を用意できないような状況に陥った時にどうしたら母の命を守れるのだろうかということがずっと心にあります。『和ハーブフィールドマスター養成講座』を受講することで身近な植物の見分けや活用法を知ることが、もしもの時に役立つと思いました。
受講時にはスタッフとして帯同していたころのなつかしさも感じつつ、植物のもつストーリーはこれまで何度も聞いたはずなのに、毎回初めてのように感じて「面白い!」と感動していました(笑)

和ハーブフィールドマスター養成講座にて、古谷代表理事、同期のみなさんと
――― スタッフとして帯同しているのと受講生としてその場に参加しているのとは、入ってくる情報も全然違ってきますよね!試験の時の落ち着いたガイドも落ち着いてとてもわかりやすく、記憶に残っています。資格取得後は早速講座を開催されていましたね。
はい、講師の依頼をいただき、田村市の画家さんのアトリエで散策と5種類の和ハーブブレンド作りのワークショップを行いました。
参加者さんから「えー!これも食べれるの?」といった反応をいただき、アンケートでは「またやってほしい」ですとか90歳のおばあちゃんから「こういう時間のおかげで元気でいられる」といったお声をいただくことができました。資格取得をし、『和ハーブインストラクター・和ハーブフィールドマスター』という肩書きをもったことによってお客様に伝える側になれることの喜びを改めて感じました。

手作りブレンドづくり・セッティングも素敵!
――― 自然豊かな場所にいらっしゃるからこそ、地元の方々の知っているようで知らなかった「和ハーブ」の恵みを身近に感じられるのかなと思います。
佐久間さんは1か月後(インタビューした2025年2月時・その後取得)『和ハーブフードディレクター養成講座』の受講も控えていらっしゃいますね。これまでも様々な経験を積み重ねてこられた佐久間さんですが、今後さらに挑戦してみたいことなどがあれば教えてください。
地域おこし協力隊としての任期はこの3月で終了になりますので、次は、みなさんの健康のトータルサポートができるような仕事にチャレンジしたいと考えています。
私はずっと自分が本当に打ち込める仕事を探してきました。和ハーブ協会で勤務していたときに大変お世話になった、井入農園(*)の井入さんのような・・・ずっと何かひとつの分野のプロフェッショナルになりたいと思って、それが体の健康なのか、心の健康なのか、薬膳なのか、、など悩みながら学び続けてきたのですが、何年も勉強や経験を積み重ねてきた今になって、心の健康も体の健康もどちらも切り離せないものだということが腑に落ちるようになりました。
そして、そのどちらもサポートしてくれる存在として「和ハーブ」があり、今の私にとって大切なコンテンツになっています。

心が弱っていても、美味しいものを食べたら元気になれるので、『和ハーブフードディレクター』では、食の観点から学べるのがとても楽しみです。
――― 仕事に対する思い、大変共感します。いま、「和ハーブ」に興味を持ってくださっていて、これから『和ハーブ検定』や『和ハーブインストラクター』などの上位資格にチャレンジしようかな、という入口に立っている方もいらっしゃると思います。そんな方へのメッセージをお願いします。
『〇〇インストラクター』といってしまうと、とても敷居が高く感じる方もいらっしゃると思いますが、私自身がそうであったように、まずは趣味や楽しみ、ワクワクするからもっと深く勉強してみたい、というような自分自身を満たすところから「和ハーブ」の勉強をスタートしてみても良いと思うんです。
挑戦することによって自信が出てきてその人の雰囲気が変わってきて、それが自然と周りに影響を与えることもありますよね。講師としての活動などは、焦らず急がず、ご縁があればそういうタイミングがくるものなので。
まずは気負わずに、ご自身の「やってみたい」という気持ちを大切にしてほしいなと思います。

「和ハーブ」は身近な豊かさを思い出させてくれる存在
――― 本当にその通りだと思います。最後に佐久間さんにとっての「和ハーブ」の魅力をお話しいただけますか?
ひとことで言うならば、私にとっての「和ハーブ」は、「人と人とを繋ぐもの、今を生きる私と先人たちを繋ぐもの」かなと思います。
健康面や、リラックスの効果などはもちろんありますが、より深い部分で、昔の人が家族の健康やよりよい暮らしを目指して使ってきた、その思いが繋がり、紡がれて今に通じていると思うと尊いですよね。
そういう思いを共感しあえる人にこれからも丁寧に伝えていけたらなと思っています。
――― 心に染み入る素晴らしいお話でした!佐久間さん、今日は貴重なお話をお聞かせいただき本当にありがとうございました!
*日本ダイエット健康協会:「健康的で正しいダイエット知識の普及と発展」を目的に、2008年12月に古谷暢基が設立。「健康・美容・ダイエットにおいて“正しい選択”ができる人を増やすこと」を理念と目標に日々活動を行っている。
●公式ホームページ TOP | 日本ダイエット健康協会
*井入農園:滋賀県守山市にて、花、野菜、ハーブの苗を栽培。これまで栽培した品種は2,000種以上に上る。
●公式ホームページ:井入農園|元気な苗をお届けしまします | 滋賀県 | 花 | トマト
《編集部より》
「魂の仕事を見つけたい」という言葉からも感じられる、真摯に人や故郷を思い、学び、行動し続けてこられた佐久間さん。
ご自身の人生過程の中で出会った「和ハーブ」を大切に、ご自身の活動に組み合わせて前向きに発展させていらっしゃる姿がとても素敵で勇気づけられました。
これからのご活躍がますます楽しみです!
佐久間朱妙さんinstagram @akemi_kenkou_obento: Instagram