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一般社団法人和ハーブ協会 公式ブログ

上位資格者インタビュー④上田 涼子さん《ヒダノワ(飛騨和ハーブの会)代表・和ハーブインストラクター(2020年10月取得)》

シリーズ★和ハーブ協会上位資格者インタビュー★

今回のゲストは・・・

上田 涼子 さん 《ヒダノワ(飛騨和ハーブの会)代表・和ハーブインストラクター(2020年10月取得)》

 

上田涼子さん

 

 兵庫県西宮市出身。4児の母。6年前に夫の地元である岐阜県高山市に家族で移住。現在は、和ハーブや、発酵など様々な講師活動を行いながら岐阜県飛騨市の薬草プロジェクトにも関わられています。
 植物に興味を持ちつつも、市街地で生まれ育ち「ずっと植物のことが気になりながら片想い状態でした」という上田さん。移住してから「和ハーブ」の勉強を本格的に開始されました。今回はこれまでの歩みや思い、「和ハーブ」と出会ってどんなふうに世界が変わったかをお話しいただきました。

 

#実は、校区の中に和ハーブは見当たらないような場所で育ちました。

 

――― 上田さんは、岐阜県高山市にてご家族で自然豊かな暮らしを楽しんでいらっしゃる印象がありますが、もともとは西宮市ご出身なのですね

 そうなんです。西宮は市街地なので、校区の中に和ハーブは見当たらないような場所でした。ただ、植物はもともと興味があって、植物の図鑑をよく見ていたのですが、身近に実物がなくて・・・花壇で植えられている花以外の植物にはなかなか出会えないような環境でした。

――― そうなんですね!現在の上田さんの暮らしや発信されている内容からは意外な印象です。

 子どものころ、八ヶ岳に縁があり、家族で行くことがあったのですが、そこで出会える高山植物に惹かれていました。ひっそりと咲いている佇まいがその頃から好きで。小学校2年生くらいの時に父が2万円くらいする高山植物の図鑑を買ってくれたこともありました。興味はあったけど、でも普段はなかなか会えない。なんだか遠距離恋愛みたいな感覚でした(笑)
 片想い期間が長かったので、大人になってからは他のことにもいろんなことに興味が出てきて、植物のことはいったん脇に置いていたかな。大学からは大阪で暮らしていました。

――― そこから、今現在の植物に親しむ暮らしに舵を切られるきっかけはなんだったのでしょうか。

 夫と知り合い結婚してから夫の地元である岐阜県高山市に行くようになったら、そこら中植物だらけで「うわぁ、ここ楽園じゃん!」という驚きと感動がありました。

 雪国なので春が遅くてゴールデンウイークに遊びに行くとちょうど芽吹きの時期にあたり、晩御飯に山菜が出てくる豊かさが心にしみて。足を運ぶにごとに幼い頃の植物への片思いがむくむくと再燃してきました。

 

豊かな山菜の恵み(上田涼子さん撮影)

 

――― むくむくと!まさに恋の再燃みたいですね(笑)

 はい、そこからこんなに植物が好きなのに離れて暮らすのが嫌だなという感覚になってきて。子どもたちを育てるのはせっかくなら縁のある田舎で育てたいという思いもあり、子ども3人+1人妊娠中の状態で移住しました。

 移住してすぐに4人目の長男を自宅出産しました。移住して今は6年目です。移住後すぐにコロナが始まったのですが、自然が豊かな場所にいたので子どもたちの遊び場には困ることはなかったです。

 

# 「和ハーブ」の世界を学んでいくうちに、海外の植物に頼らなくても面白いことが色々できるんだな」とワクワクしました。

 

――― 「和ハーブ」を勉強しようと思われたきっかけはなんだったのでしょうか?

 最初に出会ったのはおそらく10年以上前、大阪の大きい本屋さんで和ハーブ協会の1番最初のテキストを立ち読みした時だと思います。そのころから「和ハーブ」という言葉が頭に残っていました。
 高山に移住して、まわりが植物だらけ、宝ものだらけなのに、自分がそれに気づけていないんだなと思うようになり、もっと知りたいという気持ちに自然となりました。
そこから「和ハーブ」を改めて勉強しようと思い、2020年に『和ハーブ検定』を受験しました。そのときはまだオンライン受験が始まっていなかったので、名古屋会場まで受験しに行きました。それが実は4人目を出産してから初の外泊でして。なつかしいです。

 

ユキノシタ(上田涼子さん撮影)

 

――― 「和ハーブ」を勉強しはじめて、印象的だったことはありますか?

 『和ハーブ図鑑』もあわせて購入して学習していたのですが、イブキジャコウソウが「和のタイム」、ヤブニッケイが「和のシナモン」とか書いてあるとすごくテンションがあがって「えー!これも和ハーブでできるんだ!海外の植物に頼らなくても面白いことが色々できるんだな」とワクワクしました。
 身の回りの植物でいうと「実物を見てみたいな」と思っていたカキドオシが夫の実家の近くにわんさか生えていることに気づいたときは感動しました。
 知識があるかどうかで今まで雑草にしか見えていなかったものが「和ハーブ」に代わるというのはまさにパラダイムシフトですね!

 

――― ものすごくよくわかります。私(インタビュアー、野村)は『和ハーブフィールドマスター養成講座』受講中、毎日歩く線路沿いのフェンス越しにわさわさと生えている植物の中に「クサギ」があることに気づいた瞬間の感動は忘れられません。上田さんは検定を合格されてからは『和ハーブインストラクター』の資格も取得されましたね。

 ある方に、「和ハーブ」についてお話ししたところ、とても興味を持っていただき「講座を開催してほしい」と言われたことが後押しとなり、仕事としてお伝えする側にまわるために『和ハーブインストラクター』の資格を取得しました。
 『和ハーブインストラクター養成講座』では、古谷代表の“植物の生存戦略”など、生化学的な内容が特に面白かったです。もともと化学は苦手意識が強かったのですが、改めて植物とのかかわり、という視点で聞くととても興味深くて。
 植物は動けないししゃべれないけど実はめっちゃ賢い、私たちはむしろ植物に操られているんだ、ということが実感できて、植物に対する感謝や尊敬の気持ちが沸き上がってきました。

 講師としてお話しするときも、必ずお伝えするようにしているポイントです。

 

「和ハーブ」の講師として様々な場で活躍されている上田さん

 

――― お伝えいただいているんですね!素晴らしいです!上田さんは今では和ハーブ協会の制服的なアイテムである「和ハーブ手ぬぐい」の企画販売もされていますが、この手ぬぐいは『和ハーブインストラクター養成講座』の最終試験の時に発案されたものだとお聞きしました。

 そうなんです。講座の最後のプレゼンテーション試験で企画を出す、となったとき、帰りの電車でふと「和ハーブ手ぬぐい」が思いついたんです。
 ただ、その頃はコロナの真っただ中で地元の方々とのつながりが作りにくくて。せっかくやるのであれば、今住んでいる地域の方々に応援してもらえるような形で進めたいと思っていたため、しばらくデザイナーさんとのやりとりを進めつつ様子をみていました。移住2年目で飛騨市の薬草プロジェクトに関わらせてもらったりしていろんな人とつながりを作り、デザインもほぼできあがった状態でクラウドファンディングをはじめ、様々なご縁のおかげで無事に実現にこぎつけました。

 

和ハーブ手ぬぐい(上田涼子さん撮影)

 

――― 本当にかわいくて私も大好きな手ぬぐいです。ところで、飛騨市の薬草プロジェクト、私も飛騨市の薬草の取り組みを一冊の本にまとめたこちらの本、『薬草を食べる人々』を拝読し、官民一体になって熱く取り組んでおられる様子が手に取るように伝わってきて驚きました。実際には「薬草」と「和ハーブ」は若干違いますが、飛騨市の方は「和ハーブ」についてはどんなふうに受け止めていただいているのでしょうか?

 

薬草を食べる人びと 北アルプスが生んだ”薬箱のまち”飛騨 (究極のまちをつくる) 単行本(ソフトカバー)垂見 和磨 (著)

 

https://www.city-hida.jp/yakusou/event/101.html



まだ「和ハーブって何?」という段階なので、薬草と和ハーブの微妙な違いを説明すると「なるほどね」「響きがいいよね」といった反応がよく聞かれます。「和ハーブ」の定義は私自身「和ハーブ検定」の勉強をしていたころからとても良いなと思っていたんです。薬草はもちろんですが、建材や染料なども入るし、間口が広がりますよね。「今まで意識していなかったけど、これも和ハーブに入るんだ!えっこれも!?」みたいな感じで喜んでもらえます。 これからはいま在住している高山市内でも「和ハーブ」を使った新たな取り組みができたらなと思っています。

 

『全国薬草フェスティバルinひだ2024』にて市の関係者や和ハーブ協会副理事長の平川美鶴とともに

――― まるで飛騨高山の薬草、和ハーブを広めていくために呼ばれたような上田さんですが、いま改めて上田さんにとっての「和ハーブ」の魅力をお聞かせいただけますか?

 和ハーブのいいところは、「私、意外と和ハーブ知ってる、食べたことある!」ということに“気付ける”ことだと思っています。
 今まで特別視してこなかったもの、ある意味当たり前だったものを再発見できるというか。おばあちゃんが作ってくれた草餅、あれも和ハーブだったんだ・・・みたいな体験って今の30代40代以上の世代であれば、誰しも一度はあるんじゃないかなって思うんです。
 シソとかショウガとかみんなが今でも口にしているものも「和ハーブ」だし、そこから一歩進んで「これも仲間かな?えっひょっとしてこれもかな?」みたいな感覚になったとき日々の幸せな瞬間が増えてくるし、日本人があたりまえにやっていたことを今まで以上に大切に思えてきますよね。それによって自分自身のルーツを肯定するような気持ちが自然と沸き上がってくるように思います。

 

タラの芽のチジミ(上田涼子さん撮影)おいしそうですね・・・!!

――― 最後に、「和ハーブ」に興味をもってくださっている方へのメッセージをお願いします!

「和ハーブ」は興味をもつ入口が本当にたくさんあります。そこら中に口をあけてまっていてくれるというか(笑)実際にわかり始めると足元にたくさんあって、意識を向けるだけで新しい世界が開けてきます。気負わずに、一歩踏み出してみてもらえたらと思います。

――― ありがとうございました!

 

《編集部より》

現在飛騨地域での『和ハーブフィールドマスター養成講座』開講に向けても取り組んでいただいている上田涼子さん。

ご自身のなかにある「好き!」という思いと、地域の方々とのご縁、周りの方々の思いを大切にしながら自然体で取り組んでいらっしゃる品やかな姿勢がとても素敵だなと感じました。

これからのご活躍がますます楽しみです!

本インタビューは音声をstandFMでも公開しています!

和ハーブインストラクター 上田涼子さんインタビュー - 一般社団法人和ハーブ協会ラジオ | stand.fm

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waherb.info

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Instagram@smartnatural.life

 

お読みいただきありがとうございました!

次回のインタビューもお楽しみに!